Acanthoscurria
Aphonopelma
Avicularia
Brachypelma
Ceratogyrus
Chilobrachys
Chromatopelma
Citharischius
Cyclosternum
Cyriopagopus
Ephebopus
Euathlus
Grammostola
Haplopelma
Heteroscodra
Hysterocrates
Iridopelma
Lasiodora
Lasiodorides
Nhandu
Pamphobeteus
Paraphysa
Phormingochilus
Poecilotheria
  fasciata
  formosa
  ornata
  regalis
  rufilata
  striata
  subfusca
Psalmopoeus
Pterinochilus
Stromatopelma
Tapinauchenius
Theraphosa
Xenesthis

Poecilotheria formosa ↓ Poecilotheria subfusca

ORNAMENTAL SPIDER

 Poecilotheria属は、インド及びスリランカ、その周辺に分布するタランチュラで、オーナメンタル・スパイダー=装飾的な(或いは飾りの付いた)蜘蛛と称される程に派手な模様、種ごとに違う色彩の美しさは他属の追随を許さず、その禍々しい程の独特な雰囲気と、凶暴な気質と高い毒性という危険さが生み出す魔性とでも言うべきその魅力も加味されて、この属の虜となる飼育者は少なくないようです。
 確かに他のタランチュラでは代え難い魅力があり、それは麻薬的な深い中毒性すら持ち合わせた物なのですが、然し、その飼育は全く以て万人に勧められるようなものではありません。

 移動速度、神経質で臆病であるが故に持ち合わせる凶暴性、神経に作用する毒性、それらすべてに於いて、最高ランクをマークします。移動速度ではPsalmopoeus属などに引けを取らないだけでなく、興奮時の動きは奇抜で自由自在、凶暴性ではHaplopelma属に匹敵し、毒性ではStromatopelmaに比肩しうる強さを誇ります。
 技術と経験と、胆力さえあれば問題は生じませんが、成体に一度咬まれた日には、二週間近い入院を余儀なくされると言うのですから、そもそも咬まれないで飼うにしても、少々空恐ろしいものがあります。とは言え、死ぬわけではないので、其程構えないで相対することが出来るのが救い、かな?(笑)

 飼育に関してですが、本種を飼育しようとする人は或る程度、タランチュラ飼育に慣れた人だと思います(そうでない場合は、他属の紹介にある飼育に関する文章を参照のこと)。ので、詳しい飼育方法は割愛しますが、只、この種に限って言うならはパワーフィーディングを掛けた方が良いとだけ申し上げておきましょう。兎に角怪物的に喰いが良く、「もう限界だろう」と思うところからコオロギ+10〜+15ぐらいは食べます。そして喰わせた分だけ次の脱皮で成長し、その速度は成体になっても止まることを知りません………途中からではなく、幼体の頃からしっかり食べさせるのが重要みたいです。
 このようにして成長させると、最短で半年ちょっとで成体になりうるという話も聞きます………半年って………。まぁ、普通に飼育していて一年から一年半ぐらいでしょうか………?
 パワーフィーディングには賛否両論あるようですが、少なくとも寿命が短くなるという話は聞きませんから、さっさと大きくしてしまったほうが楽しめると思いますよ。本種もアジア産のタランチュラの例に漏れず、寿命は七年から八年と短いですから………尚、オスは最終脱皮から三ヶ月程度であるようです。

 Poecilotheria属は比較的多く種が記載されていますが、この裡、日本国内に乗ったことが有るのは、7種。
 比較的頻繁に流通しているのが
 Poecilotheria regalis(=インディアン・オーナメンタル)
 Poecilotheria fasciata(=スリランカ・オーナメンタル)
 の二種。

 其程頻繁ではないけれど、稀ということもなく見かけるのが、

 Poecilotheria ornata(=フリンジド・オーナメンタル)

 通常はこの三種が流通していましたが、ここ最近では、
 Poecilotheria formosa(=サレム・オーナメンタル)
 が見られるようになり、殆ど入荷の無かった、
 Poecilotheria rufilata(=スレートレッド・オーナメンタル)
 が、かなり多く流通するようになっています。何があったのか………なってきました。

 Poecilotheria subfusca(=アイボリー・オーナメンタル)
 、Poecilotheria striata(=マイソール・オーナメンタル)
 もペットルートに乗ったことがありますが、どちらも極々少数が流通したに過ぎません。Poecilotheria smithi(=イエローバック・オーナメンタル)なんても居ますが、国内に生存しているのは片手で数える以下でしょう。

 2002年には、
 Poecilotheria miranda(=ベンガル・フォースポテッド・オーナメンタル)、Poecilotheria metallica(=グッティー・サファイア・オーナメンタルという二つの種が海外で話題になり、国内でも話題になった………のかな?(笑) う〜ん、たぶん、一部の人々の会話の中で話になっていただけなのでしょうね(苦笑) はてさて、これらが来ることはあるのでしょうか……

 あ、補足して措きますと、ここ最近シノニムなどで変動があったのは、Poecilotheria baraPoecilotheria smithiのシノニムに、 Poecilotheria vittataPoecilotheria striataのシノニムになったこと、かな。
 アジア産にしては、比較的分類が安定しているPoecilotheriaですが、種の判別はものによっては比較的容易であるようです。それに関しては、こちらを参照してください