Acanthoscurria
Aphonopelma
Avicularia
Brachypelma
Ceratogyrus
Chilobrachys
Chromatopelma
Citharischius
Cyclosternum
 fasciatum
 pentalore
Cyriopagopus
Ephebopus
Euathlus
Grammostola
Haplopelma
Heteroscodra
Hysterocrates
Iridopelma
Lasiodora
Lasiodorides
Nhandu
Pamphobeteus
Paraphysa
Phormingochilus
Poecilotheria
Psalmopoeus
Pterinochilus
Stromatopelma
Tapinauchenius
Theraphosa
Xenesthis

コスタリカン タイガーランプ/Cyclosternum fasciatum

コスタリカン タイガーランプ
Cyclosternum fasciatum
Costa Rican tiger rump

 成熟して4センチと、小型種に類されますが、独特の色彩と質感が大変美しいタランチュラです。御覧の通り、頭頂部が紫がかった金属光沢のある赤銅色とでも言うべき微妙な色彩に染まり、脚は漆黒に塗られ、成体は脱皮直後では基節に金属光沢のある暗青色が入り楚々とした美しさがあります。
 ヨーロッパでの人気が特に高いとの事ですが、実物を見てそれも納得。以前から、とても気になっていた種の一つだったのですが、実物を見て更に惚れ直しました。
 実物は本当に小さく可愛いので、卓上にインテリアとして、小さなビバリウムで飼育してみると映えるんじゃないでしょうか。

 ところで、ドッペルゲンガー[Tiger rump doppel-ganger ]というタランチュラが本種に酷似するという話がありますが、この種、学名Davus fasciatusというタランチュラのようです。そして、結局のところ本種のシノニムとして抹消されたっぽいです。

 ランプ[rump]、とは肚の意味ですから、虎柄の肚、という意味でしょうか。僕には、このタイガーランプと、シェブロンマークの差がイマイチ分かりません……。それはさておき、この腹部の模様、グリーンボトルブルーの幼体時と極めて酷似していて、本種とグリーンボトルブルーは近縁だと言われているとかいないとか。取り敢えず、今のところ別属ですが。

 成長は早いと耳にしましたが、取り立てて「早い」というほどではありません。普通よりはやめぐらいで、パワーフィーディングはあまり利かない方です。

 少々神経質な所があり、つつくと刺激毛をばしばし飛ばして来る様が、健気で可愛いです。この刺激毛、サイズが小さいからか、僕には殆ど効果はありませんでした。30cm程度の距離で顔も近かったのですが、痒みもなかったですし、くしゃみなども出ていません。とはいえ、刺激毛には個人差があるそうなので、人によってはこの限りではないでしょう。

 ただ、つつかれて驚くと、突発的に疾走することがあります。比較的立体活動が得意であるようで、3cmの個体で、2秒程で40cmを進みました(<実験した訳ではなく、雄雌を調べようとした時に……)。
 小さいだけに、隙間に入り込まれると捜索は困難を極めると思われるので、脱走にはそれなりの注意が必要と言えます。あの速度にはおそらく反応出来ないので、動きの方向性を見極めて移動させるようにするか、周囲に予め囲いをして、脱走しても其処で落ち着くようにすると良いかもしれません。

 シェルターにコルクバーグを組み合わせたモノ(上記の写真の上に、さらにコルクバーグを載せ、洞窟のようにした)を入れると、その中で更に掘り進み、周囲を糸で張りながら巣を作ります。この巣がないと落ち着かないらしく、外へつつきだして餌を示しても食べようとしません。お腹が減っていればその限りではないのかもしれませんが、シェルターを用意した方が、蜘蛛には幸せかと思います。シェルターがあると、つつかれた時にその中へ素早く逃げ込むので、シェルターが彼女の安心に一役買っていることがよく分かります。シェルターがあれば、肚を叩かれて模様が消えてしまう、ということもありません(シェルターの中から入り口へ向かって遣ることがありますが(苦笑))。

 凶暴な所がある、と耳にしていたのですが、所謂“凶暴種”に比べると、「……?」という感じです。個体差もあるでしょうし、まだ観察して日が浅いので、確証はないですが、大人しい部類じゃないですかね……シェルター張っちゃえば、毛も飛ばそうとしませんし。

 ただ、幼体時は、他の幼体に比べてやや弱い気がします。しかも、成体以上にかなり積極的に潜ろうとするので、此奴は或る意味地中性種を飼育するノリで望んだ方が良いような気がします。
 結構拒食期間が長いので、「そろそろ脱皮しただろ〜?」とか思ってケージを確認する時に、そっと持つようにしないと、「脱皮中でしたぁ」ってなコトになります。幼体の脱皮不全で、出血を伴っている場合、ほぼ助からないでしょう。