ムカデ?
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† What's Centipedes †


† 序

ムカデとは何かというお話でございますよ。
フッ、我にムカデを説くなぞ笑止!
たわけ!ムカデの事なぞ聞く耳は持たぬ!」という方は、見なくて良し!
主な話は、飼育対象となることが多い、Scolopendraなどが含まれる
オオムカデ科についてとなりますよ。良いね。他のまで書くと、えらく長くなりますからね。他のについては、軽く触れる程度にございます。

タランチュラのところは、生意気にもJavaなんか使っちゃって、タイトル押すと、下にバキッと表示される仕組みにしましたが、多足の項ではもうめんどくさいのでその制度はアッサリと廃止にございます。

ってなわけで長いし重いけど、その辺りはADSLに加入するなど各自対策してくださいよ。今のご時世ダイヤルアップでのネット徘徊は、非常に厳しいわけ。じゃぁ、そんな感じよろしくー


† ムカデ

まず、ムカデとは何かと言う部分から始めますよー。
分類的には節足動物 大顎亜門 多足上綱 ムカデ綱。そこに含まれる生き物をムカデと致します。ゲジもここに入るので、ムカデということに致します。多足上綱っていうのが、いわゆる多足類にございますよ。

では下の図をご覧くださいませ。クモとサソリの関係よりも、ムカデとヤスデの方が縁遠いわけ。つまりムカデとヤスデは全然違いますよ!と言う事にございます。この事実は、ヤスデの項目でもしつこく書くことでしょう。しかも下の図も、ヤスデの項目が出来たときにもバキッと使いまわします旨をココに宣言しておきます。



ムカデ・ヤスデの位置づけ。ついでに、昆虫とクモ型類の位置づけ付き。



多足類の仲間には、ムカデ綱・ヤスデ綱・コムカデ綱・エダヒゲムシ綱の四つに分けられております。中でもムカデ綱は日本でも馴染み深い生き物にございまして、国内には約150種生息しているという話でございます。世界でみますと、記載されているだけで約2800種、未記載のも含めると1万種以上居るのではないかという説もございます。いやぁ、多いですねぇ。

一般に目にするムカデと言えば、トビズムカデ・アオズムカデ・メナシムカデ・ゲジ辺りで、ジムカデやイシムカデの類なんかは、石の下とかを探さなきゃ見つからないかと思います。ですので大半のムカデは人に見つからず、密やかに石の下などで生きてるものが多いということですなぁ。

国産ムカデ達
イシムカデ目
日本に約60種、世界に
1100種以上。

ゲジ目
日本に2種、
世界に約130種。

ジムカデ目
日本に約60種、
世界に1000種以上

メナシムカデの一種 ノコバゼムカデ トビズムカデ
オオムカデ目 日本に20種弱、世界に550種以上。


イシムカデ目、ゲジ目、ジムカデ目、オオムカデ目の5目が日本に生息しております。ムカデ綱にはナガズイシムカデ目というのもありますが、こちらはタスマニアとニュージーランドに2種ほどいるだけという、大変レアな仲間でございます。そちら方面へお出かけの際は、探してみるのも一興でございますね。むしろ、それメインで旅行するのも悪くないかも。

ムカシムカデ目というのもありまして、こちらはもう絶滅している太古の百足にございまして、デボン紀の地層より出てるそうです。今や化石のみが彼らの存在を示す証というわけにございます。いやぁ〜、太古のロマンを感じずには居られないものー。


† ムカデの体

ムカデ綱は、唇脚項(しんきゃくこう)とも呼ばれる通り、肢が変化して出来た大顎を持ちます。鋭い牙になっておりまして、獲物に噛み付き毒を注入いたします。この牙を専門用語で顎肢(がくし)といいます。

種類によって事なりますが、15〜100以上にも及ぶ体節があり、1つの体節から1対の歩脚が生えます。最期に付く長い肢を曳航肢(えいこうし)と呼びます。曳航肢は、歩くときは使わずに、威嚇の際にブンブン触覚のように動かして、前と後ろ、どちらが頭か解らない様にするべく相手を惑わせるわけでございますよー。ムカデは頭をやられると弱いですからね。

みなさまご存知と思いますが、ムカデは漢字で「百足」と書きます。体節から1対の足が出ているので、体節数の2倍の数の肢があることになります。ムカデの名は伊達じゃないですなぁ。百という文字には、たくさんと言うようなニュアンスも含まれますので、足がたくさんある虫という形容になるわけでございます。

ムカデの中で一番多い足を持つものはジムカデの仲間で、191対の肢を持つものが知られております。オオムカデ目のムカデは21対か23対の歩肢でございますよ(中でもアカムカデ亜科とScolopendrosis属のみ23対)。多くのジムカデ辺りと比べると少ないですが、歩くとき邪魔になるんでないか?と言うほどに多いでしょう。そのそこはムカデ、すばらしい神経網により、肢が絡むどころか、綺麗に肢を上下に波打たせて前へ進むのでございます!いやぁ〜関心!さらに体をくねらせながら前進することにより歩幅が大きくなりまして、大変すばやく動くことを可能に致します。このよーに、歩くの一つ取りましても大変すばらしい機能を持っているわけにございますよ。

さらにこの歩肢にございますが、敵に襲われますとなんと自分の意志により切り離すヤツもございます!ゲジの類はしばしば切り離しますが、オオムカデも自切することが知られておりますので、取り扱いは注意してくださいねぇ。切れた歩肢は、数回脱皮しますれば元通りになりますよー。いやぁ〜素晴らしいですなぁ。ただしオオムカデ目の連中は、あまり自切しないので、落ちた肢の再生には、ゲジやイシムカデと比べ時間がかかるようでございますよ。


ムカデの大きさでございますが、数mm程の小さなジムカデから、25インチ(約62.5cm)の個体が出たという怪物ムカデ。その名もScolopendra galapagoensis(ガラパゴス諸島/サンタクルーズ島・エクアドル沿岸部・ペルー南部・クック諸島に生息し、通常は40cm程)と言うヤツまでと様々である。つまるところ過去伝説の所謂マホガニージャイアントと呼ばれていたオオムカデは、S.galapagoensisの事だった可能性が高いですな。ちなみにマホガニーとは、中米南米に広く分布する広葉樹の一種にございまして、家具に使う木材として、しばしば用いられます。

通常ムカデの体長は、触角を曳航肢を抜く頭部と胴節を足した長さで計ります。ムカデは比較的伸縮性もございます。したがってムカデが生きた状態の場合、どのようにして計るのがベストなのかマニアは模索するわけですな。


† 毒

先に記した顎肢から毒を注入いたします。足先や曳航肢には毒はありません。毒を出すのはあくまで牙だけです。で、ムカデは多かれ少なかれ毒をもっています。しかしオオムカデ以外の連中に噛まれても、さして害はないですので、ここでは省きます。ほっときゃ治ると思いますからw

問題はオオムカデ。オオムカデに噛まれますとー、蛋白質分解酵素のおかげで赤く腫れたり、水ぶくれになったりして痛いらしいのです。蛋白質分解酵素の他にヒスタミンや、ムカデの種によってはセロトニンと言う物質も含まれており、これが痛みの原因にございます。いやぁ〜恐ろしいですねぇ。「噛まれたらどうしましょう。怖いわ〜」という人は、はなっから飼うなと言うことにございます。

結構な数オオムカデを飼ったり捕まえたりしてますが、噛まれたことは一度もありません。ムカデの扱い方を知っていれば、馬鹿みたいに噛まれることはありません。阿呆みたいに無闇に素手で持ち上げ、ガバガバ噛まれるなど、愚かにも程があるので止めましょうねぇ。痛いだけですからねぇ、噛まれたら学習してくださいよ。基本的に成人が噛まれても死ぬほどの毒性ではありませんが、アナフィラキシーショックや体重の軽い幼児、噛まれたときの体調によっては脅威になる場合がございますので注意してくださいよ。日本でもムカデに噛まれて死んでる人がいることをお忘れなく。

運悪くかまれてしまった場合ですが、まず傷口を吸って毒を出します。ムカデの場合、この方法が結構有効であると知られております。サソリや毒蛇の場合は、この行為が無意味どころか口内の傷口や虫歯より毒が進入し、下手したら死にますのでやらないように。
で、毒を吸い出した後は、キンカン等のアンモニア水や痛み成分の一つであるヒスタミンを和らげるべく、抗ヒスタミン剤が含有されているステロイド軟膏を塗るのが効果的とされております。クモはハチに刺されたり噛まれたりした場合にも有効なので、飼育されている方は1つ準備しておくと良いと思いますよ。商品名で言うと、オイラックス(ノバルティスファーマ株式会社)やアレルギール(三共株式会社)なんというヤツにございますね。使用の際は、用法用量使用上の注意を良くお読みになって使用してください。例によって何かあっても知りませんw 最良策は何も考えず、迅速に病院へ行くことにございます。とくに患部の痛み以外(悪寒・頭痛・吐き気など)の症状が出た場合、ショック症状の恐れがあるので、速やかに病院へ行ってください。下手するとホントに死にますからね。


† 食べ物

ムカデは樹や壁も登って獲物を探します。時には樹液に群がる虫を襲ったり樹液をなめたりもします。察しの通り肉食性でございまして、昆虫や小動物を襲って食べるわけでございます。たくさんの肢ですばやく移動し、牙で噛み付き毒を注入し歩肢抱え獲物の動きを封じます。飼育している場合、エサとなるコオロギを入れると、何匹ものコオロギを歩肢で抱え込む様が観察されます。獲物が生きたままでも、ワシワシと削って食べてゆきます。ジワジワ削って食べるので、獲物の内臓が見えたりしますが、最後にはかなり綺麗に食べつくします。

基本的に肉食でございますが、飼育下では様々なものを食べることが確認されております。へぇ。こんなものも食べるのかと思ったものには、リンゴ等の果物・煎餅・ドッグフード(水でふやかした)・熱帯魚用のフレークフード等。もちろんスーパーで売ってる生肉や魚の刺し身なんかも喜んで食べます。幅広い食性というよりは、ここまでくると悪食と呼んで良いかもしれませんねぇ。


† 脱皮と寿命

ムカデは脱皮して成長してゆきます。たくさんエサを食べて一定期間経過すると、拒食します。タランチュラなんかと比べるとその拒食期間は短い印象にございます。体色が茶色っぽくなり、薄皮が出来た印象になると、もう数日もしくは数時間後に脱皮を始めます。
頭が割れて、靴下やストッキングを脱ぐようにズルズルと出てきます。出てきたムカデは非常に柔らかくデリケートにございます。抜け殻は、脱皮した証拠隠滅のためか栄養のためかは不明ですが、脱皮後しばらくすると自ら食べてしまいます。
脱皮周期はムカデの栄養状態によって変わるので、飼育下で多くのエサを与えた場合、より早く性成熟するようでございます。

オオムカデは生まれたときから体節に変化がなく、体色と大きさが変わってゆくだけにございます。トビズムカデの場合、4−5年かけて10回程度の脱皮を繰り返し成熟します。成熟後も栄養状態により年間1〜数回脱皮し、生きている間ずっと脱皮するわけでございます。
生成熟後も4−5年は生存しますので、種類によって異なると思いますが6年〜10年、またはそれ以上の寿命があるようでございます。飼育する場合、大型個体を購入すると、それこそ寿命が近い場合があるので、長期飼育したい場合、小さめの個体を選ぶと良いかと思います。

ペルビアンオレンジの脱皮の様子







メキシカンレッドレッグ 抜け殻

抜け殻を食べてるところ。



† ムカデの性質や生活っぷりから見る対策

ムカデのコーナーを開きますと、必ずといって良い程「部屋の中にムカデが出て困る」という方が現れるのですが、かなり深刻に悩んでいる場合も多いようなので、ここに軽く書いておくことにします。

春から秋にかけて活発に活動しますので、室内にも入ってくる場合がございます。進入してきたムカデに噛まれたという人も多くいるでしょう。ムカデの進入経路にございますが、排水溝や換気扇等少しの隙間があればそこから進入しますので、完全に進入を防ぐには、家を浮かせるか、水の上に住むしかないですなw。ムカデの進入を防ぐ粉みたいなものも売られているようなので、利用してみると良いかもしれません。でもまぁ最も有効な方法は先にも言った通り、「蚊帳」に入って寝てください。

ムカデは、非常に臆病且つジメジメと暗いイメージのところを好みます。しかし汚いのは嫌いみたいです。とくに頭の先についている1対の触角や、肢に付く汚れを執拗に嫌います。ムカデは自分の体を舐めて掃除するんです。それを化粧行動と言いまして、暇な時にはいつも体を舐めて綺麗にしておるのです。センサーである触角を綺麗にすることで、なにか反応があれば瞬時に反応し、機敏に動けるわけでございます。感心感心。(←化粧行動中のノコバゼムカデ)

ともかくムカデに悩める人は、ムカデの好む環境を無くす事、それがムカデ対策の近道だと思います。つまるところ、このサイトを読んでムカデの好む環境を知り、その真逆の環境を整える。さらに蚊帳を吊るす。これですな。


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