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学名 |
Archispirostreptus gigas |
CN |
アフリカ オオヤスデ/タンザニア ジャイアント ミリピード etc.... |
体長 |
15〜32cm |
分布 |
南東アフリカ(ソマリア、ケニア、タンザニア、モザンビーク、南アフリカ等) |
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世界最大級の種で、なんとなくインパクトのある大きなヤスデを飼いたいなぁと思った方は、これを選べば良いと思います。見て、飼って、殖やせる非常に良いヤスデです。他の種類も面白いけど、とりあえずこれだけでも満足出来ると思いますよ。得体が知れん等と言われておりますが、この種の得体が知れなかったら、他のヤスデは、得体が知れない所の騒ぎじゃないかと言うほどペットとして飼われていて、ある程度飼い方も判っておりますので、奇妙で謎の多い生物とか言わないであげて欲しいですな。大きくてユニークで丈夫な、ポピュラーペットと呼んで良いでしょうw
Spirosteptus giganteaは誤りで、Spirostreptus gigasやGraphidostreptus giganteusはシノニムです。某いにしえの書wでgigasとして紹介してるのは、何か別の種類なので、もうそろそろ封印して頂ければ結構かとw おそらくあれは、西のほう(カメルーンやコンゴの西)にいる、Mardonius parilis acuticonusのようです。本種より小型で(15cm前後)真っ黒と言うか、若干紫がかって見えることもありまして、A.gigasより外骨格の凹凸が深いです。まぁ間違いでもなければ、滅多に来ることは無いかとおもいます。あと、ウガンダとコンゴの東のほうには、Rhapidostreptus virgator と言うA.gigasによく似たのがおりまして、そっちは14cmぐらいにしかなりません。ちょっと似ていても、産地(東・中央・西)の違いで、種まで変わってくる場合があるので、注意と言うことですよ。
飼い方
ケースは、でかい方が良いですよ。日中は丸くなってゴロリと土の上に転がってますが、暗くなると結構活発です。小さいケースでの多頭飼育は、様々障害を伴うので、やめた方がいいです。特大プラケとかコンテナが良いですね。ガラスケースの場合は、つなぎ目のシリコンを齧って死んでも知りませんよw 小バエ進入防止の大きなプラケとかは、スリットが少ないので、湿度保持に便利ですねぇ。
そこに水分を含ませた腐葉土を厚めに敷きますよ。土選びも重要です。あまり発酵が進んでいないものと、普通の腐葉土を混ぜた感じが良いかも。まぁ某「ぬくぬく」してるやつと、発酵させてあるクワカブ用のテキトーな腐葉土で良いかと。ぬくぬくだけでも十分ですがw で、表面に糞が目立ち始めた頃に用土を換えればOK。魚を飼う時の水位並みに土を入れても良いですが、観察したい人は、半分ぐらいで良いかもね。あまり浅いと、脱皮に不都合があったり、なんやかんやと有りますので、10cmぐらいの厚さはあったほうが良いと思います。そのほうが、手も抜けるしw、底のほうと表面で湿度を変えておけば、好みの層に居ますし、結構便利です。ヤスデは土を飼う!と言ってもよいでしょう。土いじりは重要です。アジア系のヤスデに比べ、かなり乾燥に耐えられる仕様に出来ておりますが、基本的に体から水分が蒸発しやすい様なので、乾かす死んじゃうと思って頂いて結構。しかしベチャベチャしすぎはダメです。用土がダメになったり、ダニや小バエも沸きやすくなりますので、ご注意を。
ダニといえば、WCの本種を購入すると眼に見えるそこそこ大きなサイズ(といっても大きくて1mmちょい)の活発な赤黒いダニがウロウロしている場合があります。ピンセットとかで取ろうとすると、丸くなったヤスデの足のほうへ逃げ込み、それはそれはイライラするアレですがw、実は他の有害なダニを寄せ付けなかったりと、共生の関係にあるのではないかと言う説があるので、あまりに大量にいるのでなければ、放って置いても良いのかもしれません。すくなくとも家では、そのダニによる被害はありませんし、なんかそんなに殖えません。そして殖えたCBには付いていませんし(CBが大きく成長した個体にも付いてません)、他種に移る様子も無い様なので、あまり気にしてません。たぶん飼育下の環境では、うまいこと生きていけない可能性もありますなぁ。おそらく、ヤスデの体にバキっとくっついて、体液を吸収したりするタイプのダニとは違うのかもしれませんねぇ。まぁ詳しいことは知らないので、取りたい人は取れば良いと思いますw
温度は、あまり高くないほうがよさそうで、30度以上ではへばります。出来れば24度ぐらいが良い感じ。でもほかのヤスデよりは、高温にも強いので、かなり丈夫と言ってよいでしょう。このノリ、有尾類でいえば、タイガーサラマンダーみたいな感じでしょうか。
餌は主食はキュウリ。しかしご存知のとおり、キュウリにはたいして栄養が無いので、固形の水分や水飲み場ぐらいに考えw、色々な餌を与えると良いかと思いますよ。うちでは、キュウリ以外に、キノコ・トマト・ナス・金魚のえさが多いですかね。ナスも栄養少ないらしいので、色々あげましょう。あまりアクやクセのない野菜やフルーツをお裾分けしたり、ピンクマウスの余った物が出た場合、稀に与えることもあります。あとはサプリメント的に、カルシウム。餌にまぶしても良いし、用土に混ぜちゃっても良いかと思いますよ。うちは食べてるところを確認したいので、定期的に与えています。Caは卵の形成等にも結構重要らしいですよ。栄養と湿度のバランスが偏っていると、脱皮後、外殻が歪になったり、うまく硬化しなかったりと大変なので、メンドウくさがって同じものばかり与えるのは避けたほうが良いでしょう。餌皿を用意したほうが、土は汚れにくいですけど、色々なサイズをゴチャゴチャ入れている場合、小さな個体が、餌皿に登れなかったりすると都合が悪いので、要注意かもしれませんね。
このヤスデは飼っている感が楽しめる種というか、一部のヤスデの様に、土だけで殖えるとかは無い様なので、適度にベビーが沸いていれば、上手に飼えてると判断して良いでしょう。そうじゃない人は入手したものが老体過ぎたか、イマイチな個体にあたったか、飼い方が悪いかですなwww ベビーからの寿命は5-6年とされているので、成長速度からして、繁殖させないと長年飼い続けるのは難しいと思います。殖やす殖やさないは各々の自由ですが、殖えると嬉しいもんですよ。
この種の場合は、土の中で丸くなって巣のようなものを作って産んだり、卵糞でつつんだり、その辺りにテキトー産み散らかしたり、どうも飼育状況によって異なるようです。剥き出しの卵で目に付いたものは回収・隔離しないと、親や他の個体に踏み散らかされてダメになります。狭いケージで飼っている場合は特にです。大量に殖やしたいと言う人は、効率よく卵を回収する方法を各自考えれば良いかと思いますよ。うちはヤスデ養殖業者でもないのでw、自分で飼える位に殖えてりゃ良いのでねぇ。大人気で需要に供給が追いつかないペットってわけでもナイですし、殖えたヤスデを売ったところで生活できないでしょうしw、どちらかと言えば癒し系ペットの部類だと思うので、のんびりと自分のペースで飼えば良いと思いますよ。
色々しなきゃ殖えない点で言えば、ちょっと手間のかかるヤスデかもしれませんね。種類によっては、土の管理だけでボコボコ殖えますからなw 湿度・温度・土・栄養、これらが上手く行っていれば、ちゃんと殖えます。割と容易に殖やせるにも関わらず、タランチュラと違って、CB化が進んでいないので、もっと小さな個体から飼える機会が増えて来ると良いと思います。それから小さくても、ヤスデ風にまで成長すれば、ビシっとヤスデ汁をお見舞いしてくるので、触った後は手を洗わないと駄目ですよ。
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卵は2.5mmぐらいかな。結構大きいですね。
脱皮前は、用土に潜ってじっとしています。
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