Viola tokubuchiana var.takedana
ヒナスミレ

08.04.27 長野県諏訪市:標高1300m
OLYMPUS E-20
F8.0 / 1/13

分布  
環境  
名前の通り、可愛らしい小型のスミレ。
空中湿度が高い、または水気の多い林床に多く見られ、場所によってはほとんど湿地の様な所でも見られます。
有る程度の空中湿度が保たれていれば、地面は多少水はけの良い斜面等でも良い様で、日当たりの良い所ではあまり見られません。
春先のまだ木々の葉が開く前でも、若干の木漏れ日程度の日照が良いようです。
花期は早いほうで、アオイスミレやエゾアオイスミレに次いで葉が展開し開花します。
標高1000m以上で同所に産する場合は、アオイスミレの花が終わりかける頃咲き始めると言った感じです。
標高800程度では、アオイスミレが咲き終わってから、ヒナスミレが開花します。

学名で解ると思いますが、フジスミレが母種でヒナスミレは変種扱いです。

初めて見てからしばらくの間、ヒナスミレなのかフモトスミレなのか、はたまたシハイスミレなのか見分けが付きませんでした。
しかし、花弁の縁が波打つ、葉もより鋭角的(フモトスミレの方が丸みを帯びる)等特徴をしっかりつかめればそれほど難しくはないでしょう。
何より、花が全然違いますし。
諏訪圏で見る限りでは、シハイスミレより葉は短く先端に向かって尖る感じがします。
また、葉の縁が花弁同様波打つ個体も多く見られます。
葉裏は紫を帯びますが、濃淡は個体や産地により差が激しく、全く紫色が乗らない個体もあります。
私が見た限りでは、ヒナスミレとフイリヒナスミレの割合は五分五分に思えます。

普通に乾き具合を見ながらの水やり管理だけで、十分育ってくれます。
晩春に飛んで初夏に発芽した種は、早い物で秋口には返り咲きで開花する物もあります。
成長早く、あまり大きくならず、草姿も良く、不定芽であちこちから勝手に出てくる事もなく、大変良いスミレだと思います。
水分を好む為か、水没状態で凍らせる様な事さえしなければ、特に気を遣うことなく冬も越します。
積極的に増やすのであれば、閉鎖花を確実に押さえて種を蒔けば良いと思います。成長が早いので、根伏せや葉刺しを行う必要はないでしょう。
ただ、種が小さく熟すのが早い所為か、気が付くと既に飛散している事が良く有り、私は思う様に採種出来ていないので、飛んで近くの鉢から出てきた物を有る程度育ってから移植して増やしています。

08.04.27 長野県諏訪市:標高1300m
OLYMPUS E-20+MCON-35
F8.0 / 1/6
08.04.22 長野県茅野市:標高810m
OLYMPUS E-20+MCON-35
F5.6 / 1/125

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