オキナワスズメウリ栽培記


オキナワスズメウリ

学名:Diplocyclos palmatus
ウリ科オキナワスズメウリ属の一年(?)草
世界中の亜熱帯〜熱帯に分布し、日本でも沖縄等で普通に自生している。
大変かわいらしい実が成るのが特徴。花もかわいいですね。
種は小槌の様な独特の形状で判別はかんたんですが、地べたに落とすと非常に見つけにくい。
カラスウリ(カラスウリ属)やスズメウリ(スズメウリ属)とは似ていますが、属が違います。
分布域を見ても判るとおりかなり温度を要求し、特に発芽時は熱処理を行わないと発芽しなかったり、発芽しても極端に発芽率が落ちたりする。
ただし、発芽してしまえば丈夫である。

オキナワスズメウリをGoogle先生で検索した所、なんとここが1Page目に入っているじゃないですか。で、アクセス解析をみても上位に入っていたので、もう少し詳しく書いてみることにしますと言うメタ発言。

私は道央内陸地に住んでいる為、管理としてはそこが基準となっている。オキナワスズメウリの生育条件としては、おそらく最低気温15℃以上を保つことが要求されると考えられるので、その辺を考慮してもらえると良いかと思います。
北海道ではウリ科植物の害虫が少ないため、注意するのは温度くらいでしょう。
我が家では基本消毒を行わないので、うどん粉病が少々出ますが丈夫な植物の為影響は無いようです。唯一注意を払うのはアブラムシくらいです。
用土も特に選ばないと思います。市販の山野草用土と使い古しの用土(主に蝦夷砂)で貯め込んでいる物をふるって混ぜて使っています。
水切れさせないよう管理し、通常の山野草よりも多めの肥培で良く育ちます。
札幌あたりの気候では、5月下旬〜9月下旬までは屋外管理で問題なく、最低気温が10度前半まで落ち込むようになったら、夜間は室内へ取り込むようにすると良いでしょう。
最高気温が20℃を超えないようになったら完全に室内管理に移行します。
ですのでグリーンカーテンは不可と考え、こぢんまりと鉢栽培でとどめます。
室内でずうっと管理していると開花しない場合があります。これは、オキナワスズメウリが短日植物であるからで、昼より夜が長くならないと蕾が出来ないからです。(簡単に言うとですが)
冷夏等で室内管理が長い場合は、カバーで覆ったり照明を付けない部屋に移動したり等工夫が必要になります。
実際2012年の栽培では長く室内管理をしていた結果、開花が遅れ熟すのが年末近くなってしまいました。それでも収穫出来ましたけれど。
また、確実に実らせるのであれば人工授粉を行います。我が家はマンションの3階ですが、オキナワスズメウリに昆虫が訪花するのを見たことがありません。枝豆の小さな花にすら蜂が来るのにです。花期が遅いのが主要因と思いますが、もしかすると北海道の在来昆虫には魅力的な花ではないのかもしれません。ウリ科の自生植物自体多くありませんから。

発芽させてしまえば丈夫で苦労もなく育つ植物です、一度栽培してみてはいかがでしょうか。

学名やその他について

私は、手元に専門書も無く図書館等に調べに行く暇も無いので、 「 ぐぐって、wikiった 」 結果Diplocyclos palmatusとしました。
Bryonopsis laciniosaという学名が使われていたようですが、近年(2008〜2010年あたり)の見直しによりBryonopsis属は無効となり、Diplocyclos属とKedrostis属に分けられたようです。
現在、Diplocyclos属には以下の5種があります。
  • Diplocyclos decipiens
    • アンゴラとかタンザニアあたりアフリカ大陸を東西帯状に分布のようです。
  • Diplocyclos leiocarpus
    • あれ?、学名変わった?、シノニム??
  • Diplocyclos palmatus (オキナワスズメウリ)
    • 熱帯アジア〜アフリカまで、アフリカは帰化か?
  • Diplocyclos scliebenii
    • ケニアからタンザニアにかけての一部に分布のようです。
  • Diplocyclos tenuis
    • タンザニア以南のインド洋側に分布のようです。
といった感じで、オキナワスズメウリ以外の同属はアフリカにしかありません。
しかも、学名で検索してもまともな画像が出てきません。マニアックで定評のあるSilverhill Seedsにも無い所を見ると、よほどつまんない植物体なのか、極希産で入手困難であるか、治安などの要因なのか。

上で一年(?)草としているのは、沖縄に行くと年中あるからです。林縁の電柱や木、公園の柵(金網)等に良く絡んでいますが、人の手が入らない林縁等では非常に大型化しているのを見かけます。
北海道でも秋に室内へ取り込むと、夏季ほどの勢いはありませんが枯れる事無く伸び続けます。
だから一年(?)草としたのですが、実際自生地ではどんなサイクルを送っているんでしょうか。

〜簡易まとめ〜

用土:特に選ばない
肥料:多めでも負けない
水:切らさない(表面乾いて少し掘ると湿っているくらいで水やり)
植木鉢:移動時に負担にならない物で、自分の水やり周期や置き場の環境に合わせ使い易い物。
播種:一昼夜40℃前後のぬるま湯に浸けると発芽率が上がる。3月中旬には蒔く。
短日植物:花が咲くまでは自然な日の長さの変動を与える(外か照明を点けない部屋窓辺に置く)。
寒がる:10℃以上は最低でもキープ。
受粉:確実に実らせたいなら人工授粉。同株受粉でも良く実ります。
病虫害:北海道では“うどん粉病”と“アブラムシ”くらい。


2012年栽培記
〜出だし〜

2011年5月の事、奥様が何かでオキナワスズメウリのボタニカルアートを見て、本当にこんなにかわいらしい植物が有るのかと思ったので、調べてみたら実在した。
私は、沖縄へ行った際に(石垣だったかもしれない)実物を見て知っていたので、かわいいよと教えてあげた。
そんな折り、石垣の友人がオキナワスズメウリの実が成っているとBlogにUpした。
そこで、無理を言って種を送ってもらう事にしました。
所が、普通に蒔いたは良いがさっぱり芽が出ない。友人に聞いてみると、鳥に食べられ糞とともに排泄されて分布を広げるので、40度くらいのぬるま湯に一昼夜程漬け込んでから植えると良いとのアドバイスを頂いた。
その後、あーでもない、こーでもないと言うほどの事もしてないが、北海道で無事実らせられると考えられる時期に無事発芽させられたので、記録をとってゆく事とする。

〜環境〜

秋の早い北海道で結実熟成させる為、芽出しを早い時期にと考え4月頭とする。
そこで置き場所の室温を考え、芽出し後しばらく保温出来る設備を用意する。

LxWxHが23cm,28cm,20cmの発泡スチロール箱、蓋を開口しセロハンを張る。電源コードと温度センサーを通す為の切り掛きを作っておく。
保温には“ピタリ適温”(1号サイズ)を使用し、ピタ適上に段ボールを2枚敷き温度調整。
庫内の温度は23℃(昼間)〜18℃(夜間)くらい、段ボール表面温度で30℃〜35℃くらいを保てる様調整した。(3月中旬〜下旬)

播種前に、小瓶に40℃のお湯と10粒の種子を入れ、加温した発泡スチロール箱の中に置く。
(ピタ適の上に段ボールを敷いてその上)

〜記録〜

ここから下は、上が新しい記録で下へ行くほど古くなる。
栽培・記録担当は奥様、これを作る担当は私。

2013.10.11 金曜日
二鉢合わせて10個以上実っています。そして、今も受粉中。
今年は結構収穫できそうです。それでもよく見かける路地物のように、一節数個とかにはならないですけれど。

2013.09.16 月曜日
現在7個大きくなっています。
二鉢目も蕾が着いてきたので、まもなく他花受粉も出来そうです。

2013.09.05 木曜日
無事実りました。
現在3個大きくなってきています。

2013.08.16 金曜日
やはり、早めに花が付きました。
短日植物なんですね。

2013.08.03 日曜日
うどん粉病は完治していませんが、調子は上がってきています。
今年は早めの時期から屋外に出しているので、昨年より早めに花が咲くと思います。

2013.07.21 日曜日
昨年は途中から疲れちゃって更新が停止し、記録付けがとぎれてしまいました。
短日処理に気が付かず、なかなか花が咲かなくて焦りましたが12月頃には無事いくつか収穫できました。
で、本年もきちんと始めております。
現在、二株栽培中。盛大にうどん粉病に悩まされております。

2012.06.03 日曜日
2つめに蔓が出てきました。寒くて外に出せません、日照不足です。最高気温が15℃前後、もう6月なのに...

1つめ

2つめ

2012.05.27 日曜日
植え替えました。後から来たのに追い越され....

1つめ

2つめ

2012.04.22 日曜日


左:1つめ,右:2つめ

2012.04.17 火曜日

1つめ

2つめ

2012.04.12 木曜日

1つめ

2つめ

2012.04.10 火曜日

1つめ

2つめ

2012.04.09 月曜日

1つめ

2つめ

2012.04.08 日曜日
顆粒状肥料(?)追加。

1つめ

2つめ

2012.04.06 金曜日

1つめ

2つめ

2012.04.04 水曜日
1つめ、本葉が開く。

2012.04.03 火曜日

1つめ

2つめ

2012.04.02 月曜日

並べて

1つめ

2012.04.01 日曜日
2つめ、発芽。

1つめ

2つめ

2012.03.30 金曜日
2つめ、根が出てくる。

2012.03.29 木曜日

2012.03.27 火曜日
双葉が開く

2012.03.26 月曜日
双葉が立ち上がり、緑が濃くなる。

2012.03.25 日曜日
発芽、まだ白っぽい。(まだ一つだけ)

2012.03.15 木曜日
種子を蒔く