L. quinquestriatus (Ehrenberg、1828)
Death Stalker



分布 アフリカ中部〜シナイ半島、中東にかけて。具体的には下記
Africa (Algeria, Chad, Egypt, Ethiopia, Libya, Mali, Niger, Somalia, Sudan, Tunisia) 、Asia (Egypt, Israel, Jordan, Kuwait, lebanon, Oman, Quatar, Saudi Arabia, Syria, Turkey, United Arab Emirates, Yemen).
Asisとなっているが、我々からすると“中東”と言った方が解りやすいだろう。
後, 一般に聞き慣れないと思われるのは“United Arab Emirates”だが、此は『アラブ首長国連邦』の事。UAEと言えば、サッカーに多少興味が有れば解るかな。
環境 乾燥
毒性 強。LD値:0.16―0.50mg/kgと、大変強い値を示す。
大きさ 10cm以下程度。
飼育難易度 普通。初心者絶対不可!!
対人毒性がもっとも強いとされる蠍。
正体不明、Buthus sp 『エジプシャンゴールデンスコーピオン』や、“Buthus occitanus”として売られている事はしょっちゅうあり、知らず知らずの内に最強対人毒性種を手に入れたりしてしまうので注意されたし。
逆に、L.qとして高額で売られている物を買うよりも、間違えて格安で売られているのを狙うのも一つの手段。
但し、L.qだと思って買ったが違ったと言うこともあり得る。
見分け方としては、第一・第二背胸板に見られる5本のキールと頭胸部最後端最外キール(第一背胸板最外キールに連なるキール)が有るか無いか。有ればデススト、無ければ他種。
すこ〜ぴお氏が大変解りやすい写真を乗せて説明しておられるので、Scorpion Tails!!のL.q項を参照されたし。
Buthus属、Mesobuthus属、Leiurus属等、Buthidae科には似た様な種類を含む属が有り、通称が当てにならない以上欲しい種を入手するには、自分の種を見極める眼力を鍛えるしかない。Lqが欲しい場合、上記見分け方を覚えてから買い物に行きましょう。
通販の場合は、運を天に任せるか、写真をアップで送って貰えるなら其れで判断しましょう。
持ち腹など色々な購入判断材料を考えると、蠍は見て買うのが一番なんですがね。
又、逆も又然りで、“Buthus occitanus”として購入したが、調べてみたら“L.q”であった等と言うのは、良く有る事。

大変攻撃的、威嚇したと思ったら次の瞬間攻撃に転じていたりする為、大変危険。故に取り扱いには慎重に慎重を気して欲しい種であり、初心者の方及び注意威力の散漫な方は絶対に手を出すべきでないと思われます。

l.qには、2亜種存在する。ちなみにLeiurus属はL. quinquestriatus (Ehrenberg, 1828)1種しか居ない。
と書いていたが、近年もう一種に分けられた

L. jordanensis Lourenco, Modry & Amr, 2002

見ての通り記載が2002年。此を加筆修正しているのが2004年ですから、追最近の話です。
但し、下記亜種が種に格上げになったのか、どうかは不明。ですので、一応亜種は記載しておきます。
L. q. quinquestriatus (Ehrenberg, 1828) アフリカ中心に生息
L. q. hebraeus (Birula, 1908) 中東中心に生息
亜種の特徴を知らないので、どちらが流通しているかは不明。何処便入荷などの便名を頼るほか無いだろう。

乾燥した地域に生息し、石の下に潜り込んだりしているそうである。
場所によっては生息密度が濃いと言うから恐ろしい。

出産数は少なくて20頭。多い場合50頭を超える様だが、好条件飼育下での話で妊娠後期の持ち腹で有れば多くて30〜40でしょう。
生後1週間もすると1回目の脱皮を終え十分に体が固まっていますので、小分けしての飼育に移行すれば良い。
複数頭飼育でも良いでしょうが、いずれは共食いするでしょうから。
最初から、SSサイズのイエコオロギを弱らせる必要なく食べてくれます。育てやすいです。乾燥系蠍には共通ですが、与える前に餌に水を飲ませるのを忘れずに。
子供の大きさはYFTの等に比べると、若干小さい様な気がします。

乾燥系で成体は極めて丈夫であると言えるが、幼体は思いの外乾燥死しやすい。
温度的には22〜24℃と低めで管理した場合、乾燥死割合が減るように思えるが、餌食いが落ちるのは当然として、成長速度も遅くなる。
しかし、25〜28℃程度で管理すると、餌食いもまあまあ、成長速度もまあまあなのだが、割と乾燥死します。
それ以上の温度で管理した事が無いので何とも言えませんが、高めの温度で管理する場合、水飲みの常設を推奨します。
成体で有れば其程気にする必要は感じないかも知れませんが、幼体の飼育で餌をまめにあげる事が出来ない場合は水飲みを設置した方が無難と思われます。
その際、力の弱い幼体は表面張力で張り付いてしまったり、水飲みが大きすぎ溺れたりする事がありますので、十分に注意して下さい。
私の場合は、薄く切断した小型の瓶底(栄養ドリンク等)や、湿らせたキッチンッペーパーを使用しています。
但し、この場合の難点として、容積や吸収水量が少ない為直ぐに乾燥してしまう事。そうすると、まめに水を与えなければならないのですが、まめに世話できるなら水飲み等必要にならないのですがね。

飼育に当たっては、乾燥系サソリの飼育に準じます。取り扱い以外に特に気をつけることはありません。
海外のサイト等を見ても、『科学者や専門家以外でキープ(この場合飼・育繁殖のことであろう)されるべきではない』と掲載されている。
本当に危険ですので、迂闊に手を出さない、手を出した場合細心の注意を払って飼育をする事。
私は、この種の飼育を(知り合い以外に)推奨しない.....
Rev.1.05
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